トントントン…くつくつくつ…
野菜を軽快に刻む音、鍋の中身が煮立つ音らと共に美味しそうな食欲をそそる香りが運ばれていく。
朝は早起きな2人が朝食を毎日作っているので、夕食の当番に当たる日は少ない。
ましてこの2人が揃って当たる日となると確率的には物凄く低いのだ。
本人達の性格をそのまま反映したかのような優しい味付けは秩序側のみならず何故か混沌側にまで好評だったりする。
味には煩いゴルベーザがフリオニールの料理に舌鼓を打ったという(セシルに関しては言うまでもなく…)

『包丁捌きが様になったな』

『ふふ、おかげさまで』

実はセシルは料理を作った経験が余りなかったそうだ。
だが、性格と器用さゆえ誰かと一緒に作るのであればそこまで目立った失敗はなかったし、そのパートナーが料理が得意だと言うフリオニールともなれば上達するのも早かった。
今では1人で作らせても安心して任せる事が出来るまでになった。

『後は、あ、フリオニール。ちょっと味見てくれる?』

『ああ、良いよ』

菜箸で鍋の中身をちょこっと摘んで手を添えてフリオニールの口元へ運ぶ。

『どう?』

ちょこんと首をかしげる。

『ん。うん、丁度良い』

『良かった』

『セシル』

抱き寄せてセシルの柔らかい唇に自分の唇を重ねる。

『セシルが悪いんだからな。もう我慢できない』

『え、ちょっと、フリオニール?!ダメだよ、こんな所で、あっ』



『……。(のばらのあほーッ!!)』

穀物や野菜が入った袋を抱えたままキッチンの入り口の手前で立ち往生する羽目になった。 そこにクラウドがやってきた。

『そんな所で何してるんだ?』

『フリオニールに頼まれてた野菜持ってきたッスけど……入るに入れなくて』

キッチンの中をそっと覗いて、ああ、なるほどなと。
当分続くぞ、あの様子じゃ。と残してリビングへと去っていった。

さり気なく24710な24。 24で並んで料理させてみたかったのです。
エプロン+菜箸で「あーん」+セシル角度発動で流石にフリオニールは我慢できなかったようです(笑)
新婚さんの様な甘いの目指してたのに微妙になってしまった…