かなり長いです。

出てくるのは24710のみ。
実はこれでもフリセシの"闇に捕らわれた月の光"(R-18)の本編の前提となるお話で、フリオがセシルに惚れたのを自覚するまでの話(なので、分類上はフリセシにしてあります)……
のはずなのですが、全然まとまらない挙句長くなりすぎて途中で切らざるをえなくなってしまったので、取り敢えず前編と後編に分けで前編を上げておきます。
後半でフリ→セシになってくれるはず、ず!

セシルが何かやたら強いです。
背景事情考えてたらこの位差があるんじゃないかな?なんて思ってしまったのですが……だ、大丈夫かな??
DFF無視してます。ごめんなさい。

続き書いてますが、中編が入ったらごめんなさい(笑…えない)
"闇に捕らわれた月の光"本編の連載開始までに終わるのかな…これ(マテ)

取り敢えず、マジで文才下さい、誰か!!

 セシルと初めて会って挨拶を交わした時は、全身を包み隠すような漆黒の鎧を纏った暗黒騎士の姿だった。
あの姿を見た時、故郷を襲撃され失った事や帝国軍との戦いを思い出した。
あの時のダークナイトを思い出させる風貌に酷似していると思った。
目の前に立つこの暗黒騎士はダークナイトとは違うのだと頭ではわかっていたのだが、感情が付いてこない。
感情的になって普段であればそんな事を言わないであろう言葉が出ていた。
ごめんという言葉と共に黒から白へと……パラディンへと姿を変えた瞬間の瞳は悲しそうな光を宿していて、初対面でいきなり傷つけてしまったのは今でも凄く後悔している。

いつの間か俺たちは一緒に行動するようになっていた。
セシル、クラウド、ティーダと俺の4人で探索に良く出かけている。
改めてセシルを近くで見てみると、本当に男なのかと疑いたくなるような中性的な容姿なのだ。
パラディンの姿だと暗黒騎士の時から比べて線が細く華奢に感じられる。
身長も高いし、体格もそれなりに良い方なんだが……それでも、本当に同性なのかを疑いたくなる何かがあった。

一緒に戦っている内にセシルがかなり厳しい訓練を受けた高位軍人ではないかと思えた。
無駄のない動きや、状況判断は常に的確で、他のメンバーへのフォローだってそうだ。
兎に角戦いに慣れている。意識しなくてもどうすれば良いか体が自然と動くのだろう。
それに比べたら、俺はまだまだだった。いや、本当に軍人だったとしたら、俺なんか足元にも及ばないんだが。

---

『なぁ、セシルって元の世界では何をしてたんだ?』

休憩中に思い切って尋ねてみる事にした。
一緒に過ごしている時間は他のメンバーから比べたらそれなりに長い方だが、セシルは自分の事を自分から話そうとするタイプじゃないからセシル自身の事を殆ど知らないのだ。

『え?あ、そういえばそういう話をした事なかったかもね…』

『あ、俺も気になってたッス』

ティーダとクラウドも興味ありますって表情で近くに集まってきた。
最初はちょっと戸惑っていたみたいだが、直ぐにぽつぽつと話してくれた。
バロンという軍事国家で暗黒騎士としての訓練を受けた上で飛空技術に優れた者で構成される"赤い翼"という異名を持つ飛空艇団の隊長を務めていたそうだ。

『やっぱり軍人だったんだな』

『え?』

『セシルの戦い方を見てたら、何となく軍属だったんじゃないかなって思ったんだ。動きに無駄がない所とか、状況判断だってそうだ』

『状況判断は僕なんかよりクラウドの方が凄いよ。冷静な所とか、見習わなくちゃなって思う』

『俺はそんなに冷静では……』

『クラウドだって軍経験者だろ?』

『ああ、まぁ、一応は』

クラウドも、兵士として働いてた事があると聞いた事がある。

『2人とも戦いの基礎がしっかり出来てるからあそこまで戦えるんだよなぁ。俺が2人の足元にも及ばないのは仕方ないのか』

『じゃあ、戦いの素人な俺なんかどうなるッスか?』

ティーダは元々戦いとは無縁な"ブリッツボール"の選手をやってたそうだ。
俺も元々は狩をして暮らしていたから戦いとは無縁だったんだが……

『……』

『何でそこで黙るッスか?!』

『まぁまぁ、ティーダもフリオニールも凄いよ。ティーダは素質はあると思うよ、ただ、経験が足りないからうまく立ち回れなかったりするんだと思う、経験を積めばもっと上手く戦える様になるはずだよ。フリオニールは状況に応じて武器を使い分ける判断力が優れてるから、後は武器に合った……剣に限って言えばちょっと荒々しい部分があるからもう少し力を抜いて流れに合わせてあげれば……』

吃驚してセシルの顔を見つめてしまった。
我に返ってティーダとクラウドを見たんだが、2人ともやっぱり同じような顔でセシルを見てた。

『え、何かおかしな事言った…かな?』

『いや……まだ会ってそこまで長い付き合いじゃないのに色々と見てるんだなと思って』

『俺やティーダと違って先陣切って突っ込むセシルがいつ見てるんだろうって思って』

『多分、俺たちだけじゃなくてクラウドも見てるッスよね……どんな観察力してるのかと思って』

兎に角、セシルが周りを良く見ているんだなってのがわかった瞬間だった。

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次の日、セシルに剣の手解きをして貰えないだろうかと頼んでみた。
ちょっとスパルタになるかもしれないけど…それでも良ければと引き受けてくれた。
不安に思っていたのは俺だけじゃなかったようで、ティーダとクラウドも参加する事になった。
ティーダは兎も角、何故クラウドまでと思ったのだが、聞いてみたら兵士だった頃は剣ではなく銃を扱っていて、後にあのばかでかい剣を扱うようになったから全部我流なんだそうだ。

セシルの教え方は凄く丁寧でわかりやすかった。
実践さながらの訓練は宣言通りかなり厳しかったけど、弱い部分や癖を重点的に克服する方法で、たった数時間の事なのに以前より剣が扱いやすくなった感じがした。

『全員同じ"剣"でも形状が違うから扱い方も異なるのによく解るな』

『形状は違っても基本は同じだからね、それを抑えておけば後は応用するだけ、そこまで難しい事じゃないよ』

俺は片刃の細めの剣、ティーダは両刃の大きめな剣、クラウドは重剣に分類される片刃の剣、そしてセシルのは槍にしか見えないんだがあれでも剣なんだそうだ(EXモードの時はちゃんと剣なのにな)世界が違うと剣1つでも色々とあるんだなって思う。

『セシルって教え方も上手いな』

『ううん、皆が飲み込みが良いからだよ』

『自分で気が付かないような細かい癖も良く見てるし…ホント凄いよ』

『あ……その事なんだけどね』

『うん?』

『全部が全部見てるわけじゃないんだ。昨日キミが言ったように僕は先陣切って突っ込む方が多いからね』

『じゃあ、何故?』

『イミテーションだよ』

戦士達を模造した偽りの異形。
倒しても倒しても現れるカオスの無限の軍勢。
自分とそっくりな概観のイミテーションも存在している。
セシル曰く、そっくりなのは概観だけでなく癖や技の使い方も本人そっくりなんだそうだ。

『それじゃあ、本人を相手にしているようなものなのか』

『うん、だからみんなの癖も大体把握出来たんだ』

つまり、俺たちだけではなく他メンバー…しいてはカオスメンバーの癖もわかっているわけか。
ただ倒すだけじゃなく、戦いながら分析までしていたとは。

『流石に思考パターンは全然違うから、自分とそっくりな相手でも戦えるんだけどね』

『確かに、自分と思考パターンまで同じだったら、間違いなく苦戦するな』

『でも、もしかしたらそんなイミテーションが出てきてもおかしくないのかもしれない…』

否定しきれないのが本当に怖い所だ。

『イミテーションの動きを観てみると勉強になる部分もあると思うよ』

『そうだな』

実際見る余裕なんかあるかどうかわからないが……

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闇色の波動が迸り、目の前のイミテーションが砕け散る。

『ッ!?』

暗黒騎士の姿からパラディンの姿へと変わった直後のほんの一瞬だったが、セシルの様子がいつもと違った様に感じられた。
酷く驚いたような複雑な表情が凄く気になったのだが。
そういえばこの所暗黒騎士の姿は見てなかったかも知れない。

『セシル?』

だが、声を掛ければいつも通りの柔らかい笑みと共にどうしたの?と返ってきたので気にする必要はなかったみたいだ。

『いや、クラウドたちの所に戻ろうか。戦っている間に随分と離れてしまったみたいだ』

『そうだね』

すると向かい側からお~いという元気な聞き覚えのある声と共にティーダとクラウドがやってきた。

『ティーダたちの方が早く片付いてたみたいだね』

『みたいだな』

合流し顔を合わせた所で気が付いた。

『あ、ティーダ。腕怪我してるじゃないか。ポーションないのか?』

『この位平気ッスよ』

肘から手首にかけて血は止まっているみたいだが刃物で切った様な跡があった。
それに鼻の頭にも擦った様な跡があって赤くなってる。

『随分無茶な戦い方したんじゃないのか?』

『そんな事な、うわわわわわっと!』

間一髪とはまさにこの事か。
ティーダが咄嗟にバックステップで地を蹴った瞬間、地面に漆黒の闇を纏った1本の槍が突き刺さっていた。
この槍は?!

『ティーダ!』

叫んだ時には俺の後ろに居たセシルが槍が飛んできた方向に走り出していた。
くそ、怪我の手当てもさせてくれないわけか。
気が付けば俺たちは複数のイミテーションに囲まれていた。
3対多勢。セシルは囲まれる前に突破したみたいだ。

『こんなにも何処に潜んでたッスかね……』

いつでも動けるように少し腰を落として武器を構える。
中近距離型の2人と一緒に戦うとなれば、俺は後方支援に徹した方が得策か……

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『…はぁ……クッ』

大分数は減ったが未だ油断出来ない状況が続いていた。

『月光の輝きに、惑え!』

上空に突如現れた魔法陣から放たれた光弾が目の前のイミテーションへと降り注ぐ。

『邪悪なる意思を打ち砕け、破邪の光よッ!!』

更にそのイミテーション目掛けて光を纏ったセシルが突っ込むと、くぐもった耳障りな断末魔の声を上げて砕け散っていた。

『セシル!』

『遅くなってすまなかった。さぁ、残りを片付けてしまおう』

此処からは一気にこちらの形勢が有利となったのだが、完全に攻撃の隙を突かれた。
この体勢からでは流石に避けきれない…と思った次の瞬間、間に割り込むように白い光が目の前に現れた。

『セシル!!』

俺に当たるはずだった攻撃がセシルを襲う。
回避どころかガードもせずにまっすぐに突っ込んで行った為、イミテーションが繰り出した剣がセシルの脇腹を完全に捉えていたが、一瞬顔をしかめただけでまるで攻撃など受けていない様な動きで光の意思を!と剣を振り上げ、共に急上昇すると続いて衝撃波を下へ向けて繰り出す。
吹っ飛ばされたイミテーションは地面へと叩きつけられそのまま動かなくなった。その様子を一瞥しただけで続いて上空にいた別のイミテーションへ向けて突っ込んでいく。
止めたかったが止められそうもなかったので取り敢えず地上に残っているイミテーションを倒す事に専念した。

斧を投げつけイミテーションを引き寄せ剣と斧で攻撃を加えていく。

『決まりだッ!』

思い切り剣で切りつけた。

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剣を構えたクラウドがダッシュで一気に間合いをつめ上空から振り下ろし地面へとイミテーションを叩きつけたのがどうやら最後だったらしい。

『まったく、夢見が悪そうだ』

『まっ、こんなもんッスね♪』

ティーダが上空から飛び降りてくる。
そしてセシルがゆっくりとした足取りでこちらへ歩いてくるのが見えた。

『お疲れ様。フリオニール、大丈夫だった?』

『俺はなんともない、それよりセシルの方が!』

まともに攻撃が入ってたのに何で平然としていられるんだ…

『じゃあ、ティーダ。さっきの傷見せて?』

『え、もう平気ッスよ!』

『ダメ。それに、こっちも血が出てるよ』

そう言いながらティーダの腕を掴んでケアルを施していく。

『セシル!!』

『まったく、フリオニールは心配性だなぁ。あの程度掠り傷の内だから、ね?』

挙句笑顔まで返される。
あれが掠り傷だ?流石に頭痛がしてきた。
攻撃を受けた腹部は鎧には傷どころか血の跡すら残っていない。
おそらく途中で暗黒騎士へとチェンジしたため鎧が再生してしまったのだろう。
便利だなとは思うが、こうなるとセシルの怪我を本人以外で把握しているのは目撃していた俺だけだ。

『クラウドは大丈夫?』

『ああ、大丈夫だ』

『そう、良かった』

取り敢えず、今の所はセシルの意思を汲んでそっとしておく事にする。
戻ったら何が何でも手当てをしないと。

剣の形状がまったくわかってません。
特にティーダ!フラタニティってあれ両刃ッスか!?(片刃っぽい気もするんだけど…)
フリオのもあれで両刃だったらちょっとショックだ(自分の目が…って意味)
取り敢えず、FF2早くクリアしよう、そしてFF10やろう。
(この組み合わせでクリア済みなのFF4とFF7だけなんだぜー。しかも、FF7は発売直後に1週間でクリアしてあまりやってないのに対して、FF4はSFC版、DS版共にやってるのに…愛の差が酷すぎる)
取り敢えず、続き頑張ります。