ある寒い日の夜の事だった。

『まったく、アンタには付き合いきれん』

『何だよ、冷たいなぁ』

布団を被って寝ようとするスコールの上にバッツが乗っかり、まるで構って欲しくて飼い主にじゃれ付く動物の様になーなーと言いながら布団をぺしぺし叩いていた。

『寝かせろ』

『ヤダ!』

『退いてくれ』

『…じゃあ一緒に寝る』

そう言ってがばっと布団を捲くって無断で潜り込んで来た。

『おい!!』

あー、スコールって温かいなーと言いながらくっついてくる様を見ているとどっちが年上なのかわからなくなってくる気がする。

『スコールって体温高いよな』

『…』

『怒るなよ。スコールと一緒に過したいんだってば』

『……いつもじゃないか』

『バレた?仕方ないだろ、おれ、スコールの事が好きなんだから』

そう言って嬉しそうに笑ってスコールの顔を覗き込んでくる。
嘘偽りなどまったく感じさせないただ純粋な笑顔。

『スコールはおれの事嫌い?』

『しつこいやつは嫌いだ』

『むぅ…』

しゅんっと項垂れる。
もぞもぞと動いて少し間を空ける。出て行きたくはないけど嫌われたくないんだという意思表示か。
だが、スコールの方からバッツの背中に腕を回して自分の方へと抱き寄せてきた。

『スコール?』

『隙間を空けられると寒い』

それに、アンタが風邪を引くと布団を掛け直した。
それを見てバッツがくすくすと笑っている。

『優しいな、スコール』

『良いから早く寝ろ』

照れた顔を隠す様にバッツの後頭部をぐいっと押して自分の胸元に押し付ける。
いつもより早鐘を打っている鼓動を子守唄代わりにしてゆっくり瞳を閉じた。

バツスコに挑戦!がなんか微妙に違う気がする…
うちのバッツさん、普段は狼っぽいですが、スコール相手にはこんな感じに犬っぽい子だと思います。
どっちが年上なのかわからないようなのが書いてて楽しい(笑)