授業が終わり教科書をしまっている時だった。

『セシル・ハーヴィ。放課後に教諭室まで来るように』

『……わかりました』

日の光の様な煌めく金の髪が教室を後にするのを見送ると次の授業の準備へと取り掛かった。

――次の授業は教室を移動しないとか。

『よ、セシル。優等生のお前が呼び出し食らうとか珍しいじゃん』

何かしたのか?と同じクラスのエッジが後ろから僕の肩を叩いて話し掛けてきた。

『さぁ?心当たりはない、かな』

『そうか。あの先生色々と変な噂が絶えないから注意しろよ?』

---

放課後、急ぎ足で数学科の教諭室へと向かった。
ドアの前で立ち止まり1回深呼吸をしてから3回ノックをすると入れという声が聞こえたので失礼しますと中へ入る。
部屋の奥の窓際に置かれたデスクにノートパソコンのキーボードを叩いている姿があった。

『遅かったな?』

『すみません』

『何で呼び出されたかはわかっているか?』

『……いえ』

先生は本日返却されたテストの問題用紙を取り出すと、1番最後の問題を指差しこの問題を何故解けなかった?と聞いてきた。
その問題は他の問題から比べて難易度が高く、クラスメイト達の間でも正解者がいなかったらしいと話題になっていた問題だった。後でゆっくり考えてみたらひねくれた応用問題で、解けなくは無い問題だったわけだけど。

『お前になら解けると思って出したんだがな』

『ご、ごめんなさい』

『何、怒ってはいない。ただ少しお仕置きが必要みたいだが……』

---

『…あ、余り見ないで……お願いだから』

教科書や様々なファイルが収められている棚の整理をさせられているのだが、視線が気になってなかなか作業が捗らない。

『それではお仕置きにならないだろう?』

今僕が着ているのは先生がいつの間にか用意していた女子用の制服…ただし、校則では絶対に違反になる程スカートの丈は短くされているのだが。
後ろからスカートとニーソックスの間の剥き出しになっている太腿をそっと撫でて来るので手が震えて棚に上手く収められない。

『手が止まっているぞ』

『あ……っ……』

焦らすようにゆっくりと太腿を這う手は作業が終わるまで止まる事はなかった。

現代パロで数学教師のカインと生徒のセシル。これでもカイセシだと言い張ってみる。
一応付き合ってます。 あえて学校内でお仕置きする方が楽しいかなって。
何で女子用の制服があるのかは突っ込んではダメですwww ブレザーかセーラーかはご想像にお任せします。

中学時代に期末試験でわざと解けない様な問題を1問だけ突っ込んでくる先生がいたのでそこからヒントを得ました。
流石にこれは解けない問題じゃなくて解ける範囲で難易度高くしてるだけ、ですが。
そこまで鬼畜じゃないと思う、カインは。